
犬の底力を
信じていた
これは自身が
健康で
食い意地が
張っているから
同じ素質を
備えている
愛犬にも
同じ力を期待して
しまって
いたのだが
彼女が16歳近い高齢犬であることは
やはり度外視してはいけない
条件だったと思う
それでも彼女は本当によく頑張り
よく耐えてくれていたと思う
手作り食に替えてから
彼女はチキンが大のお気に入りだったが
鶏肉にはホルモン剤など添加物が多く
安全性が疑問視されている
そのため、ホルモンや添加剤のない
鶏肉を選んで購入し
できるだけ余計なものを入れずに
蒸して与えていたが
やはり人間用に作られた料理などは
いかにも美味しそうな匂いがするらしく
ドッグカフェなどに行った時
私の頼んだものを物欲しそうに
見るその目に負け
食べさせてやったものがあの子の
一番よろこんで食したものだった

お肉のソースを避けた箇所や、野菜を彼女は実によく平らげてくれた

ナプキンの上で食べこぼしも無く綺麗に平らげるので店員さんに褒められた

窓際のソファに陣取って食事をする時、完全に病気のことを忘れていられた
今でもよかったと思うのは
こういうカフェに連れて行って
一緒に同じ食事を分け合えたりできたことだ
子犬時代から食事にはとても気をつけて
人間の食べるものは悪いもの
そう思い、食べさせることはなかったが
カフェに行き、自分が食べているものを
羨ましそうに見ていた犬が
同じものを食べさせてもらえると
知った時の喜び、勢いを
目の当たりにして、
実際その望みをかなえてやった時
感じたのは
こんな簡単なことだったのに今まで
なんでし叶えてやれなかったんだろうと
思う気持ちの方が大きかった
今はもう何もしてやれなくなったが
あの時、欲しがるなりに
食べさせてやれて良かった
と安堵するように思うのである
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