犬にガンが見つかる18@マレーシア


ガンが見つかって

1ヶ月くらいした頃

 

私は所属する会社に

今一度在宅勤務

希望を申し出た

 

実は一度

却下されて

断念したばかり

だったが

これが

受け入れられ

なければ

 

他の会社に移ってでも

在宅勤務でいられる方を

優先しようと思っていた

 

この希望は当時の感染拡大の状況

とたまたま合致したのか

私の希望は認められ

在宅で勤務が開始になった

 

在宅の良いところは

少しでも長く時間を犬に割けること

何度かに分けて

投薬や食事をしてやれること

 

犬の状況によっては

終業後速やかに

病院に行って連れて行ける

などの利点があった

 

その時食事がわりにやっていた

サプリメントコルディも

1日2回では無く

 

同じ量をやるのでも

できるだけ回数を増やして

与えてやる方が効果が高い

ということもあって

 

シリンジでとにかくこまめに

口に運んでやった

 

そして朝夕の散歩も

できるだけ体の負担にならないように

回数を増やして

短時間で連れ出してやれるようにした

 

とにかくこれらを可能にしたのが

在宅勤務だったのである

 

部屋の片隅の小さなステーション

 

しかし犬は1日よく食べる

日があると思うと

翌日は食べられなくなったり

 

1歩進んで一歩下がる

と言った状態が続いた

 

もう少し歩けるようにならないかな

毎日食べられるようにならないかな

ドッグカフェに行っても

疲れなくならないかな・・・

 

願いは尽きなかったが、

 

こうした願いは一つずつ自分の中で

減ってきているような気がした

 

そして、

「この願いがすべて

叶えられなくなったときが

お別れなんだな」

と漠然と考え始めたのが

ガンが見つかって2ヶ月目だった

 

この頃は空中庭園に連れ出しては

リクライニングチェアで

お腹の上に犬を乗せて

いつまでもいつまでも

夜空を見ていた

 

夕暮れ時の過ごしやすい時間帯はよくプールサイドに行った

 

私も犬も疲れることなく

互いに一番近い状態でいられる

唯一の方法だった

 

Martha Kobayashi


この記事に関連する記事一覧

コメントフォーム

名前

メールアドレス

URL

コメント

CAPTCHA


トラックバックURL: 
管理人について

小林雅(まさ)
1967年12月生まれ。
日本人女性
独身
家族:おばあちゃん犬、ダコタ
呼び名:Martha
趣味:ヨガ、ハイキング、スノボ

カテゴリー

ページの先頭へ