犬にガンが見つかる22@マレーシア


歩けなく

なってからは

あっという

間だった

 

本当に

ただ歩けなく

なったの

ではなく

 

完全に

動けなく

なったのだ

 

彼女の四肢はピンと突っ張って

死後硬直のように硬く

強張ったままだった

 

あんなにずんぐりむっくりの

まるい犬が、

こんなふうになったんだろう

 

麻痺しかけた頭で

私はただそんな風に

現実を受け入れようとしていた

 

でも現実は残酷で

この頃から彼女は

体のどこに触れても

痛がって触られるのを

嫌がるようになっていた

 

嫌がるというほど

可愛いものではなく、

触れようとした私の指先を

恐怖するほど

 

触られると痛むのだと

必死に伝えようとしていた

そのために彼女は

悲鳴を上げるようになり

 

ついには何もしなくても

泣き叫ぶようになっていた

 

私はただ

「ごめんね、大丈夫

もうさわらないよ」

 

とできるだけ優しく

声をかけるより

他に方法がなかった

 

あんなにふわふわと可愛らしかった子が疲れ切っている。それでも可愛くて仕方なかった

 

幸い液状のものは

飲み下す事ができ、

寝ている口角の端から

水やトマトの潰したもの

 

粉状のサプリメントを

液状にしてシリンジで飲ませると

舌を大きく動かして

一生懸命に飲み干していた

 

ダイソーで買ったすり鉢が役に立った

 

口の中に腫瘍ができていたので

固形のものは食べられなかった

 

けれど、そうやって液体のものは

いくらでも飲んでいた

 

この頃には、彼女の痛みを

どうやって軽減するかが

一番の課題になっていた

 

インド系の医師はもう

「痛み止めは体に悪いから」

と鎮痛剤を出してくれなかった

 

もはや、そんな状況じゃないのに

 

そう思っても彼にどうしても

理解してもらえなかった

 

彼女が泣き叫んでいるときに

電話連絡して強い痛み止めを

頼んだ時も、それを聞いてすら

「ー時ごろ連れてこい」

と言われたなりだった

 

痛みがひどいので本当は

動かしたくなかった

 

やっとの思いでクリニックに

連れて行くと、医師は急用で

留守だった

 

しばらく待っても医師は

戻って来なかったので

とうとう私はクリニックを

変えることにした

 

Martha Kobayashi


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管理人について

小林雅(まさ)
1967年12月生まれ。
日本人女性
独身
家族:おばあちゃん犬、ダコタ
呼び名:Martha
趣味:ヨガ、ハイキング、スノボ

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