犬にガンが見つかる23@マレーシア


新しく

通院先として

選んだ先は

 

以前、

インド系医師の

不在の時

 

抗生剤と

消炎剤を

診察なしで

特例に処方

してくれた

親切な

クリニック

だった

 

しかし運の悪いことに

このクリニックを頼って

連絡すると、

 

今クリニックは改装中で

引越しの最中だ

というのだった

 

そこでメールを打って

転居開業早々、最短で予約を入れ

 

とにかく痛み止めが欲しいこと

 

できるだけ楽に

過ごさせてやりたいと

説明し、助けを求めた

 

中華系の女性の医師は

とても理解が深く

私の動揺にも落ち着いて

提案を重ねた

 

四肢が突っ張ったまま、硬直している

自宅では大体このまま体を動かすこともできず、

痛みがあるのでほとんど触ることもできなかった

 

 

「寝たきりの犬が

オムツをしているものの

おしっこを我慢して

しないでいるのではないか」

心配して説明した時

 

彼女は目の前で

おしっこの出し方を

教えてくれ

 

その場で大量のおしっこを

出して見せた

 

こんなにたくさん

我慢していたのか

 

と思うと思わず

涙が溢れた

 

彼女にそう伝えると

「違うわ、

我慢しているんじゃないの。

出せなくなっているのよ」

 

そう言われた

 

このベッドで一緒に寝て一晩中看病したり、仕事中も在宅勤務だったので世話ができた

 

 

彼女の神経は侵されているから

排尿もできなくなっている

 

四肢が突っ張っているのも

そのためだ

ようやくそういう事が理解できた

 

今までそんなことにも気づかないで

何をしていたんだろう

 

この子はもうおしっこすら

出せなくなっている・・

 

それを聞いた時、

もう彼女は先が長くないのだと

私はようやく現実を受け入れる

覚悟を決めた

 

そして彼女の勧める鎮痛剤を

自宅に持ち帰り、

痛みがある時だけ使おうと

枕元に用意した

 

けれど、残念なことに

一晩中、彼女は泣き続けだった

 

薬が効かなかったのである

 

 

Martha Kobayashi


この記事に関連する記事一覧

コメントフォーム

名前

メールアドレス

URL

コメント

CAPTCHA


トラックバックURL: 
管理人について

小林雅(まさ)
1967年12月生まれ。
日本人女性
独身
家族:おばあちゃん犬、ダコタ
呼び名:Martha
趣味:ヨガ、ハイキング、スノボ

カテゴリー

ページの先頭へ