犬にガンが見つかる27@マレーシア


人目も憚らず

泣いた私に

 

その後も

辛い時間は

残っていた

 

最後の時を

託した

医師は

 

「だから言っただろう

あの子は検査なんてしないで

苦しめずに逝かせるべきだったんだ」

 

そんなことを言った

 

そして、事前に頼んでいた

火葬の業者は淡々と彼女の体を

専用のカバーで包んで

 

簡単な挨拶のみで遺体を

持ち去ってしまうのである

 

次はどこで、何時に

遺骨を受け取れるのかなど

一切説明がなかった

 

連絡をとるも返信はなく

別の知らない電話番号から

Whatsappに

数枚の画像が送られてきた

 

 

悲しみと苛立ちで数時間を

過ごしていた私はその写真で

一気に爆発した

 

こういう茶番をやる必要はないから

どういう段取りで火葬が進められるのか

どうして連絡くださらないんですか

 

ネットの説明には、1、2時間で

火葬は終わると書いてあるのに

なぜこんなセレモニーを

参列者もいないのに行うの?

 

それに対する会社の答えは

「私たちは私たちのやるべきことを

やっているだけです」

 

この会社は台湾系の会社だったが

少人数でしかも分業制で

バラバラに動いているらしく

 

画像を送ってきた人と、もともとの

受付をした人と、クレームの窓口は

全く連携がされていなかった

 

確かに参列者がいなくとも

火葬の前にこのように花で飾り立てて

送り出すということは普通に

マレーシアでは行われているのだろうと

想像はできていたが

 

なぜ予めの説明も何もなく

坦々と物事を進めているくせに

 

このようにしなくてもいいことを

やっているのかが日本人の私には

理解できなかった

 

それに対する答えは

「だってあなたは聞かなかったでしょう」

であった

 

愛犬の死に際して絶望している

飼い主に対する配慮はないんだな

ここは日本じゃないし

いまさらながら、そう思った

 

一人で愛犬の死を受け止めることが

これほど辛いことだとは思わなかった

 

もともと言葉が満足に伝わらない

外国に来てこんなことをしている自体

間違っていたのではないか

 

根底から自分の足元や

固定観念が崩れ去る気がした

 

結局遺骨を引き取ったのは

その3日後だった

 

しかも、コンドミニアムの

入り口のテーブルに

無造作に置き去りにされ

届けたことを知らせる連絡もなかった

 

 

Martha Kobayashi


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管理人について

小林雅(まさ)
1967年12月生まれ。
日本人女性
独身
家族:おばあちゃん犬、ダコタ
呼び名:Martha
趣味:ヨガ、ハイキング、スノボ

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