育てた国以外で犬を愛でるということ


ダコタを

この国に

連れて

きたのは

彼女が

11歳の時

 

他にも

仕事の

ことや

住居の

こと、

心配事は尽きなかった

 

でも一番心配だったのは

ダコタに日本にいるときより

居心地の悪い思いをさせてしまうんじゃないか

ということだった

 

案の定、一番恐れていたことが起こった

 

ダコタは韓国経由の長いフライトの末

建物内でおしっこやうんちができなくなってしまった

 

日本では100%トイレシートの上で用便を

済ませていたのに、

 

日本からはるばる持ってきた犬トイレ

11年使い続けた愛用の品を持ってきても

どうしてもトイレを思い出せなかった

 

環境の変化と飼い主の過剰な心配を

もろに感受した結果といえよう

 

律儀にも朝と晩の散歩の時しかトイレをせず

「うちの中で好きなようにやってくれないかなあ」

という飼い主の希望をよそに、

家の中ではひたすらに我慢し続けているようだった

 

当然の結果として、ダコタは膀胱炎になった

一年もそういう生活をしていたのだ、無理もない

 

自分の顔を見ながらすまなそうに血便を床に漏らした

そんな彼女を見て、本当に申し訳ないと思った

 

とはいえ、飼い主はどこでもいいから家の中で

しっこしてくれと願い続けているのだ

犬と言葉が通じればいいのに、とどれだけ思ったかしれない

 

ある日トイレシーツにダコタを乗せたまま

「トイレしてよ・・・」と思わず泣いたら

びっくりしたダコタはその場でおしっこを漏らした

これが転機だった

 

一瞬自分もひどく驚いたが、

すぐに雰囲気を変えて

わーい!と喜んで見せたのである

 

「すごいねー!!ダコタしっこしたね!!

えらい!!」

ダコタは一瞬びくついたがすぐに理解した

 

「うれしい?おかあさん、怒ってない?」

「怒るわけないよ!すっごくうれしい!」

 

まさに言葉の通じた瞬間であった

 

そしてすぐさま手をたたきながら

「お利口さんにはなにがあるかな~?」と訊けば

「えー、ごはん?」と犬

「大正解!」

とその場は大団円

ダコタは、余分に餌を頬張った

 

以降、ダコタがトイレを家の中でするように

なったのは言うまでもない

トイレシーツで完璧に

 

食いしん坊の犬だったから

通じた手だったかもしれない

 

ことあるごとにご褒美のえさをやったので太ったが、

飼い主は膀胱炎よりは100倍ましだと思った

 

この常夏の国で、

水を飲むのもセーブしていたダコタ

トイレを我慢するためにだ

それを思うだけで胸がきゅうっとする

 

それが今ではごくごくたくさん水を飲んで

好きな時にしっこしてウンチする

 

そんな当たり前のことがとてもうれしい

そして日本に帰国中、友達の家に預けるときも

トイレシートでする癖がつかないかなあ、

難しいかなあ、とまた新たな挑戦に

頭をひねる五十路飼い主なのだった

 

最近はこんなのがあるのね…↓

ダメ犬脱出、藤井聡の犬のしつけ方法【日本一のカリスマ訓練士 藤井聡 指導】

 

Martha Kobayashi


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管理人について

小林雅(まさ)
1967年12月生まれ。
日本人女性
独身
家族:おばあちゃん犬、ダコタ
呼び名:Martha
趣味:ヨガ、ハイキング、スノボ

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