
朝から
犬が
餌を
食べない
飼い主が
最も驚き
恐れる
事柄
だと思う
特にうちの犬ときたら
口に入るものはなんでも食べたいおバカ犬
器に入れた餌は瞬殺だ
1分ももたず胃に収まるほどの早食いである
缶詰を開けてやっても、トマトを切っても
キャベツを千切りにしてやってもしょぼんとしている
一体何事か、と思う
自分がその場を離れたとき、犬はベランダに出て
ゴソゴソしていたが、そこでハーブの寄せ植えから
イタリアンセロリをバカスカちぎっては
飲み込んでいた
時折黄色い胃液を吐く前に、そうやってやたらと
草を食べたがるのでそういうことかと理解した
外に連れ出すと、これ以上にない執着心で
雑草に必死で食いつこうとしていたが、
うちの犬はほとんどの歯を抜歯していて
下から二本歯が突き出しているのみ
到底雑草を噛み砕けるすべもない
飼い主が代わりに雑草を根っこごと何本か
引き抜いて持ち帰り、葉をちぎっては
口元に持っていくのだがそれはそれで
何かが違うらしく思い通り食べてくれない
仕事があるのでそのままにして家を出てきた
帰ってくるとドアのところで帰りを待っていたようで
上機嫌で尻尾を振っていて、餌も完食している
胃液を吐いた形跡もない
一日、心配していろいろと考えたが、一月前
自分が日本に帰国している間、
彼女は1週間、穏やかな若い中華系の夫婦の
ところで若いボーイフレンド(犬)
と幸せに過ごしていたのに思い当たった
退屈な一人暮らしの五十路女との生活に戻り
一時的に機嫌を損ねてもしかしたら仮病を?
患っていたのかもしれない
帰ってきてから、長めの散歩と
ギリシャヨーグルト、豆乳、缶詰のドッグフード
をふるまってやるとこれも瞬殺で完食していた
食欲があって何よりだと切なく思う
いそふらぼんだった
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